平成27年5月23日【看護フェアー】

終了しました。たくさんの方にご参加いただき、ありがとうございました。

ひろば182号 当院のB型肝炎ウイルスによる急性肝炎 − 最近の特徴 −

今回は当院でB型急性肝炎の患者さんから教えられた事を気の付くままにお話したいと思います。その前に、唐突ですが、嘗てこの「ひろば」(158号と164号)で、B型肝炎ウイルス(ここではHBVと略します)のゲノタイプ(遺伝子型)をお話させていただきましたが、そのゲノタイプが今回の話では重要な鍵の一つとなっています。HBVはその遺伝子を構成している塩基の並び方の違いの程度によってグループ分けをしていて、これをゲノタイプと呼んで、そのゲノタイプの名前をそれぞれA、B、C…と名付けていて、しかも互いの性格も異なる、と言う事を思い出していただければと思います。

ひろば181号 フクシマ原発事故での甲状腺ガン問題

今年2月13日に、福島県民健康管理調査検討委員会が、0歳から18才まで若年者を対象に実施した甲状腺ガンの検診結果を発表しました。それによると、3名の甲状腺ガンが発見され、すでに手術は済んでいること、その他に7名が組織検査で甲状腺ガンとされています。福島医大、石川、鈴木の二人の教授は記者会見で、多発していることは認めましたが、因果関係については原発事故以前に発症したもので、事故との関連を否定しました。

ひろば180号 外国人が福島原発災害をどう見ているか4 TonyBoys(翻訳業)

それでも、なぜ原発が必要だというのか

外国人の目に福島原発災害がどのように映るかということを3回の記事で考えてきた。これまで、放射性物質が人間の身体に 入ってしまった場合の内部被曝による健康被害、原発の経済問題や使用済み放射性廃棄物処理の問題について簡単に紹介したが、多くの読者には恐らく「こんな大変なことなら、一体なぜそもそも原発を造ろうとするのだろうか」という疑問が湧いてくるのではないかと思う。ここで、その疑問に答えるよう、原発への固執を考えてみたいと思う。大きく分けて、2つの理由がありそうだ。ひとつは「経済成長のため」で、もうひとつは「他国、特に米国との付き合いのため」である。

ひろば179号 外国人が福島原発災害をどう見ているか3 TonyBoys(翻訳業)

原発の安全が保証できない経済構造

前回、内部被曝の危険性について説明したが、今回はなぜ地震の多い日本で原発が安全に運営できない構造的な問題について、欧州の事情と関連して考えてみたいと思う。日本の原発の安全性は、基本的に欧米、特に米国と大きく異なるわけではない。しかし、地震の危険性がはるかに大きい日本では、それはおかしな話ではないだろうか。50以上の原発を有する日本について、多くの外国人は「地震が非常に多い日本では、もともと原発を作るのが間違いだ」という。それでも、一応原発を作るということになったら、技術立国日本こそ安全に運営できる様々な工夫を凝らし、しっかりした安全計画と有能な技師や運転員の下で運営するということが当然期待される。しかし、2011年3月11日以降判明したことは、決して現在の日本の原発はそうでなかったことである。

ひろば178号 浪江町から避難して

2011年3月11日の東日本大震災後、水戸に避難なさったご夫妻にお話を伺いました。震災直後から水戸へ避難なさるまでの経緯を伺い、いくつかの質問をさせていただきました。ご夫妻のお宅は福島県浪江町川添蔵前で福島第一原発から10匏内でした。

ひろば178号 外国人が福島原発災害をどう見ているか2 TonyBoys(翻訳業)

内部被曝の危険性をめぐる欧米での議論

前回、内部被曝の危険性について説明すると約束した。長いこと欧米では、原子力産業の人たちが一般向けに次のようなことを強調してきた。1.自然バックグラウンド放射線はどこにもあるが、これで癌などになる人はいないので、それ以下の放射線で健康被害が出るということが考えられないということと、2.ある線量以下では(例えば年間20ミリシーバート[mSv])健康への被害はないということだ。

1.については、確かに日本では、自然バックグラウンド放射線は毎時0.04〜0.1マイクロシーバート(μSv、mSvの千分の一)で、1年間の線量に換算すれば、0.35〜0.88mSvとなる。そんなことについて、誰も気にかけていないのに、なぜ原発事故が起こってしまったときに低線量による健康被害が問題になるのか。実はその訳がちゃんとある。 2.については、日本で起きたことと深い関係がある。それは広島と長崎に投下された原爆のことだ。戦後、アメリカ指導の被曝者研究が長いことなされたが、その成果が現在全世界で使われている放射線許容量となっている。しかし、原爆投下と原発事故とは同じものではない。ごく簡単に言えば、原爆は瞬間に起きてしまう大きな外部被曝だ。その後、環境にある原爆由来の放射性物質が体内に入れば、内部被曝も起きるが、アメリカ指導の被曝者研究はほとんどそれを無視した。原発事故のときは、逆に外部被曝が比較的小さく、原発からまき散らされた放射性物質が環境を汚染することから、呼吸と飲食によって体内に入ってくるのが大きな問題になる。

ひろば177号 外国人が福島原発災害をどう見ているか1 TonyBoys(翻訳業)

2011年3月11日から、もう1年半の歳月が流れたが、この日に起きたことを日本にいる人々は一日も忘れたことがないだろうと思う。地震、津波、東北3県の想像を絶する災害、そして福島第一原発の事故。皆様も、そのころの記憶が鮮明に残っているのではないだろうか。その日の午後2時46分、私は家にいた。日本に暮らしてから、ときに起きる地震に慣れたつもりだったが、こんなに恐怖を覚えたことがないほど激しくて長い揺れだった。我が家では、棚から本が落ちて多少、ものが壊れる以外には何も被害がなかったが、その瞬間とそれにつづいた津波で惜しくも命を落としてしまった人々や、また家を含めてすべてを失った多数の方々のことを考えれば、何と幸運なのだろうと痛感した。

ひろば176号 福島市〜飯舘村〜南相馬市を訪問する機会がありました

東日本大震災・福島原発事故から1年以上が過ぎました。復興に向けて日本全体が一丸になり努力し、幾つかは明るいニュースも見受けられます。この5月下旬に、被災地への医療協力で南相馬市に行く機会がありました。その途中に飯舘村を通りました。ここは大震災後の被災地だけでなく、原発事故による直接の影響を受けた地として全国的に有名なところです。その状況についてはたくさんの情報が多くのマスメディアで報道されてきましたが、現実は報道を遙かに超える厳しい状況であると感じました。一個人の雑感ではありますが、見たこと感じたことをほんの一部ですがご紹介します。

ひろば171号 福島第一原発事故 〜今後の生活上の注意点〜

胸部写真

事故の規模・実態は?

大震災、福島第一原発事故の発生から早くも6ヶ月になりました。原発事故の規模はチェルノブイリ原発事故と同一のレベル7と認定されてしまいました。事故の認識がそこまで至っても、我々はチェルノブイリ原発事故に比してまだ放出放射能の総量は約10分の1程度であるとの報道を信じて来ました。つまり、まだ最悪の事故よりはましなのだ、と自らを慰める気持ちがなかったと言ったら嘘になりませんか。しかしその認識は本当に正しいのか、極めて疑問だと思います。なぜなら掲げた胸部X線写真は当院で今年の3月18日に撮られたものです。患者さんに問題があるのではなく、矢印で示されたものは環境中の放射能からの感光です。普段は全く見られないものが、原発事故後の10日間ほど見られました。つまり、環境中に漂っていた核種から感光したものと考えられるのです。私は以前放射線管理区域内で核種を使った実験をしていたことがありましたが、その時に環境中の放射能から感光することは経験していません。今回の事故ではこの水戸においても、放射線管理区域での被曝を上回る可能性が十分にあったと判断せざるを得ないのです。

そのように考えていた時期に、放射能汚染された稲藁を給餌された牛のセシウム汚染が表面化しました。これは事故当初の報道を遙かに上回る汚染の広がりを感じさせます。多くの国民が、今まで事実を隠蔽されていたと考えているのではないでしょうか。今後の食糧問題に対しては、我々の直面している原発事故がチェルノブイリ原発事故に並ぶ規模になっていることを前提にして十分に注意していく必要があるのです。

続きを読む >>
| 1/2PAGES | >>

カテゴリー